【新型コロナ】スペインでロックダウンを実際にマドリードで体験してみて


新型コロナの急激な感染拡大により、スペインは外出禁止が発出されてから3週間が過ぎました。今週で4週間目ですが、今のところ4月25日まで外出できない状態が続きます。

今現在スペインはアメリカに続き感染者数2番目。その感染者が多いスペインでも首都マドリードは、感染者数死者数の多さや医療機関の混乱は特に深刻な状況です。

生まれて初めての都市封鎖(ロックダウン)という緊急事態をマドリードで経験している中で、実際に生活している視点から気づいたことや思うことをブログにします。


新型コロナ感染症 スペインの悲しい現実


スペインでは3月に入った途端、市民が新型コロナに信じられないスピードで感染拡大し、医療現場では今までみたこともない混乱を引き起こし、たくさんの感染者と死亡者が出てしまっている悲しい状態です。

《スペインの新型コロナの時系列》
3月  2日感染者112人
3月  3日スペインで初めて新型コロナ感染死亡者を確認
3月  9日感染者 約1,000人、死亡者約20人
3月14日外出禁止令
4月  9日感染者152,446人、死亡15,238人

わずか一ヶ月で急激な感染者と死亡者の増加です。一時は1日で900人以上もの市民が亡くなられ、現在は死亡者数は減少しているとはいえ1日で700人近くの市民が命を落としています(4月9日現在)

残念なことに私の周囲でも知人のご家族が亡くなり、驚きと戸惑いは隠せず、信じられない気持ちでいっぱいです。

外出禁止中なのでマドリード在住といえども外の様子はテレビやインターネットで情報を得るのが殆どです。そんな中、先日新聞社エルパイス誌の特集で掲載された、新型コロナで亡くなられた市民の悲しい記事を目にしました。
El País誌に掲載されていた記事

緊急事態下で新型コロナ感染症で亡くなった場合、葬儀は禁止、そして火葬や土葬の付き添いは家族または親しい知人の3人までとされています。きちんとしたお別れすらもできない悲しくて毎日が現実におこっています。


スペインの新型コロナ騒動の前兆


スペインでは1月末から中国や日本のクルーズ船の感染者のニュースが流れていました。現地スペインではまだ遠い国の話という感じで、スペイン市民は普通に過ごしていました。

モバイル2月中旬頃、バルセロナで開催予定だった国際モバイル見本市2020のキャンセルが新型コロナの影響で公式に発表されました。

そしてイタリアで感染者が増えているというニュースが流れ、イタリアに滞在していた方達もスペインへ徐々に帰国(入国)を始めたようでした。

イタリアからマドリード空港に到着した渡航者が、マスクを着用して到着ロビーに現れた姿をテレビで観てびっくりしたのを覚えています。
「えっ、イタリアはそんなに深刻なの?」
ヨーロッパで市民がマスクをつけて歩くことは、あり得なかったことですから!

そんな状況下でもスペインでは普段通りの生活でしたが、イタリアの感染が深刻化してきていること、日本でも徐々に感染者が増えていることを意識しはじめ、私も新型コロナの万が一の準備をなんとなく始めました。

今考えれば、どうしてもオンラインでできない銀行や車の手続きをなどの用事を早めに済ませておいて良かったです。

買い物に関してはいつも通り。我が家は普段から何となく食料ストックをしているので、外出自粛用の買い出しは特別しなかったです。常備薬としの一つとして、ジェルタイプでない一般的な消毒用アルコールがなくなりかけていたので一本買い足しました。(外出禁止中は家にいるので手洗いをすることが多く、アルコール消毒液は使っていません。)

そして3月に入ったとたん感染者数が一気に増え、3月9日夜に一斉休校の発表、3月12日から一斉休校実施。3月14日からマドリード州の外出禁止、3月15日からはスペイン全土での外出禁止の措置がされました。


ロックダウン中のスペイン

【スペインの経済】

今まで経験したこともない経済混乱を引き起こし、誰もが不安の中で生活しています。政府は経済復興政策を模索しながら打ち出してはいますが、実際にきちんと市民に補償が行き渡るようになるには時間がかかるのではって思うのは私だけかしら?もっとも行き渡ればの話ですが…。

【医療従事者の感染】

治療にあたる病院内の緊迫した様子が次々にテレビや新聞に報道されます。感染者全体の10%以上が医療従事者をしめ、医療従事者の人材不足に拍車をかけています。さらには医師、看護師、そして警察官までも死亡者が出ている現状です。

真っ赤に擦りむけたマスクの跡が痛々しい医師や看護師の顔。感染リスクが高く混乱した厳しい状況でも人命救助に全力を尽くす医療従事者には本当に感謝です。

緊迫した医療現場で働く医療従事者向け専用の精神科医たちの心のケア、感染予防のために自宅に帰れない医療従事者向けのアパートの支援などもされているそうです。

スペイン 感染者152,446人 回復者52,165
イタリア 感染者139,422人 回復者26,491
(参照:4月9日17時 Google.com 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)マップ 統計情報より

ヨーロッパの中でもスペインとイタリアで新型コロナの感染者と死亡者が多いのですが、スペイン保健省の発表によると、ここ最近スペインでは回復者が増加しているとのことです。退院される80歳90歳の高齢者のコロナ・サバイバーのニュースを目にする機会が増えました。皆さん涙を流して退院されていく姿を見るたびに、闘病の壮絶さが伝わってきます。

【スペインの町はどんな様子?】

私の知らない「人が消えたスペインの街角」。ゴーストタウンのような誰もいないソル広場人影のないビーチ、、、。そんなスペイン各地の様子をネットで見ると心が痛みます。
町から人が消えたスペイン skylinewebcams.com

【外出禁止違反者】

残念ながら外出禁止を違反する市民もいます。特にセマナサンタには実家や別荘に移動したい人も増えるので、警察は各道路の検問や、ドローンでの監視を強化しています。

市民からの違反者の通報も多いそう。市民の間では隠れて外出する人が少しでも出てしまうと、感染を食い止めることが困難になるという危機感が大きいのかもしれません。違反度合いによって罰金が課せられます。罰金:(100€) 600€ 〜 300,000€ (600,000€)。


【マドリードの買い物状況】

先日ブログに書いた状態が続いていますが、今週はセマナ・サンタ(Semana Santa 聖週間)です。キリストの復活祭が開催されるカトリックの国スペインでは大切な週に当たります。今年はセマナサンタの伝統行列は全て中止ですが、セマナサンタの影響なのか、夫によると今週はスーパーがいつもより混んでると言ってました。

スーパーでは小麦粉系イースト菌が品薄気味です。家にいる時間が長いのでスイーツやパンを作る人も多いのでしょう。お子さんとも一緒に作るのかな?セマナサンタの伝統菓子用かな?…。

スペインのトイレットペーパー事情ですが、外出禁止が発出された初期は品切れ状態でした。現在はいつもに比べれば品薄気味ですが買えています。ちなみにマスクは2月下旬から完売状態で今も品切れが続いています。


【マドリードの通販状況】

ネット通販も利用してみました。私は小さな生産者の食料品、レストランや専門店に出荷されるはずだった食材の購入です。私の場合予定通り配達されましたが、通販を利用者する人が増えているので、品物によって配達日数が思った以上かかる場合もあるようです。我が家は急いでいないのいつか届けばいいなぐらいの気持ちです。

宅急便の受け取りは、玄関前に配達品が置かれ、2m以上離れた配達係に私のID番号や名前を告げるだけで受け取りできました。インターフォンで配達係と確認し、荷物だけがエレベーターで運ばれて届けられる場合もありました。いずれもサイン不要です。

【心を健康に】

1日に新型コロナのニュースに触れる時間をある程度決めて、心こそ感染させないように気をつけています。外出禁止生活も長くなっているので、自分や家族の時間を今まで以上に大切にしながら、心と体の健康に保つことは重要です!

【助け合い】

スポーツ業界では選手たちの寄付も始まっています。その名も《Esta medalla es vuestra》。大会で獲得したメダル・トロフィー・選手にまつわるレアなグッズをオークション形式で出品し、その基金を赤十字に寄付するという運動です。

また個人レベルでマスクを作って寄付したり、企業レベルで必要とされてる医療器具を製造したり、食料や薬の配布、子供達が励ましのメッセージを書いたり、探したらきりがないくらい各地域で《できる範囲で助け合い》をしているところが増えてきています。

悲しいスペインの状況下ですが、人々の助け合いの精神、豊かな心の大切さに気づかされ、なんだか勇気づけられる思いです。


緊急事態宣言された日本


日本も安倍総理が緊急事態宣言を発出したニュースはスペインでもすぐに報道されました。日本も感染者が増加してきているのかと、とても心配でたまりません。

スペインではあっという間に感染が拡大し、それと同時に、医療崩壊の危機、経済活動の停止、全てにおいて混乱をもたらしました。感染のスピードは若干低下してるようですが、まだまだ油断できません。

日本は、特に大都市では、人口が多い割には他の国に比べて感染者数がまだ少ない段階と思います。国民一人一人が危機感をもち、外出を自粛しながら適切な感染予防をすれば、感染拡大を抑制できる、まだ間に合うのではと思わずにはいられません。

日本がこれからスペインのような悲しい状態にならないことを強く願います。


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